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いちいち本レビュー

たんたんと本の感想を書いていくブログ。書評よりもっと軽いメモみたいなもの。

【愛欲に苦しみ、愛欲に生かされる】「喉の奥なら傷ついてもばれない」/宮木あや子

宮木あや子
喉の奥なら傷ついてもばれない

喉の奥なら傷ついてもばれない

 

★★★★☆

 

ちょっと久しぶりの宮木さんの本。

「校閲ガール」や「セレモニー黒真珠」などのポップなものも面白いけれど、宮木さんといえば、「花宵道中」で知って好きになった作家さんなので美しい官能を描いてくれる作家さんという印象が強いです。

 

 

タイトルからして引き込まれて、これは絶対読まなきゃってなります。

宮木さんの描く女の官能の世界は、甘さと艶と同じくらい、否、それ以上に悲しく、痛みを伴う。

だから、中毒みたいに彼女の紡ぐ世界から脱け出せない。

 

どこにでもいる、ごく普通の人妻たち。共通しているのは、禁忌を犯していること。
罪悪感がまったくないのは、母の愛が欲しかった私の、必然だから。
恋愛小説の妙手、宮木あや子が描く六つの愛欲小説。

 

「禁忌」という言葉だけでもうぞくっとしてしまう。

官能小説ではなく「愛欲小説」と書かれていますね。

確かに本作を読むと「官能」だけでは括ることが出来ず、「愛欲」の方がぴったりはまる。

 

 

「天国の鬼」「肌蕾」「食」「金色」「指と首、隠れたところ」「ろくでなし」「泥梨の天使」の六つ短編が収録されています。

六つの物語は、主人公に自己投影する場合もあれば、登場する女性(少女)に自分を重ねる時もあって、終始どきどきしながら読み終えました。

 

宮木あや子さんの本を読むと、女性に薦めたくなる。

どの年代に薦めたいとかは特になくて、本当にすべての女性に薦めたくなる、そんな物語を紡ぐ作家さんです。

本作も装丁も綺麗だしプレゼントしたいくらい。

ちょっと気をつけたいのが、児童虐待や母親の過干渉の描写が出てくるので、やはりプレゼントには難しいかも…。

いつか宮木さんの小説をプレゼント出来る女性に出会いたい。

 

 

喉の奥なら傷ついてもばれない

喉の奥なら傷ついてもばれない