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いちいち本レビュー

たんたんと本の感想を書いていくブログ。書評よりもっと軽いメモみたいなもの。

【ナポレオンになれない僕たち】「罪と罰」/ドストエフスキー

外国人作家
罪と罰〈1〉 (光文社古典新訳文庫)

罪と罰〈1〉 (光文社古典新訳文庫)

 

★★★★★

 

罪と罰」、タイトルが有名すぎて誰もが知っているのに、なかなか読む機会もなく、ストーリーも知りませんでした。

ドストエフスキーの名作「カラマーゾフの兄弟」は漫画で読めるシリーズで読みましたが、やはり原作で読みたい。

カラマーゾフの兄弟」には来年に挑戦するつもりです。

 

 

光文社文庫古典新訳の全3巻。

1巻の途中からなかなか読む気になれませんでしたが、2巻の中盤あたりからは最後まで一気読みでした。

登場人物それぞれの心理・哲学を知るのが面白い!

アクの強い登場人物ばかりです。

ラスコーリニコフの妹の婚約者ルージンとか、吐き気がするほど大嫌い。

ルージンの小賢しさが卑しさを自分の中にも見出した時にぞっとするから、本当に大嫌いです。

 

一番好きなのはラスコーリニコフとソーニャが心を通わせ合うところ。

あそこがクライマックスでも良かったくらい。

 

「ソーニャ、頭も心もつよくてしっかりした人間だけが、やつらの支配者になれるってことさ!いろんなことを思いきってやれる人間だけが、やつらのあいだじゃ正しいってことになるんだよ。よりたくさんのものに唾を吐きかけられる人間だけが、やつらの立法者になれるんだ、だれよりも正しいのは、だれよりもたくさんのことを思いきってやれる人間だけさ!今までもそうだったし、これから先もずっとそうなんだ!」

 

この国、この時代じゃなくて、現代も日本もそうじゃないだろうか。

国という大きなくくりじゃなくても、もっと小さな世界でも同じだと思う。

ナポレオンは英雄になりたくて心を痛めたりしないはず、ごく自然に英雄ナポレオンになる。

ラスコーリニコフもナポレオンになれる人間だと自分を信じたいけれど、なれない、選ばれた側の人間じゃないことに絶望した…。

 

 

印象に残っているのが、嫌悪感を覚える表現なんだけど、

「要するに、肉体年齢と精神年齢のグロテスクな違いってやつに、獣欲をそそられているわけだ!」

 の部分。

若い少女に処女性を求める男とか…そういう事件を知るたびに湧き出す嫌悪感。

 

エピローグは「死の家の記録」に通じているのか。

同じようなエピソードが「死の家の記録」にあったはず。

 

全3巻それぞれについている解説も丁寧で面白かった。

もっと深く読み込みたい気分にさせられる。

 

罪と罰 1 (光文社古典新訳文庫)

罪と罰 1 (光文社古典新訳文庫)

 
罪と罰 ─まんがで読破─

罪と罰 ─まんがで読破─