いちいち本レビュー

たんたんと本の感想を書いていくブログ。書評よりもっと軽いメモみたいなもの。

「白魔」/アーサー・マッケン

白魔(びゃくま) (光文社古典新訳文庫)

白魔(びゃくま) (光文社古典新訳文庫)

 

★★★☆☆

 

裏表紙のあらすじに惹かれて読みました。

 

緑色の手帳に残された少女の手記。彼女は迷い込んだ森のなかで「白い人」に魅せられ、導かれて…(「白魔」)。

魔の世界を幻視する、珠玉の幻想怪奇短編。

 

「白魔」、「生活の欠片」、「翡翠の飾り」より「薔薇園」「妖術」「儀式」が収録されています。

「薔薇園」「妖術」「儀式」はごくごく短い物語で、5~6ページほど。

 

 

幻想怪奇短編とあるけれど、幻想の部分がかなり大きい。

よく分からないのだけど、妙に引き込まれてしまった。

少女、性の目覚め、幻想、不気味さ、夢のような悪夢のような、現実と夢の曖昧さ…そんなお話が好きだから楽しめた。

きちんとしたストーリーがないと嫌だという人には向かない。

 

「白魔」は映像作品にしたら美しいんじゃないかと思う。

もうなっているかもだけど。

白いワンピースの少女と”白い人”、綺麗だけど悪夢のような世界の映像の欠片がちらちら読みながら浮かんだ。

映画「ピクニックatハンギング・ロック」のような、少女たちが急に消えた、神隠しか?みたいな世界観。

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 「翡翠の飾り」からの「薔薇園」「妖術」「儀式」の3編は、かなり性的な表現がなされている。

そのものの名称は敢えて書かれていないのがとても良かった。

今となっては、ああなるほどと思えるけれど、あまり性の知識がない少女時代に読んだら、何か性的なものだとは分かるけれど、実際にはよく分からなくて不安に襲われたかもしれない。

 

「生活の欠片」は、夫婦の会話が普通に面白くて、おばさんの噂話を聞くようにするする読めた。

メアリアン叔母さんは、今で言う統合失調症なんだったんだろうか。

昔の文学作品には、はっきりした病名がなかったのかそういうのが多い。

 

白魔 (光文社古典新訳文庫)

白魔 (光文社古典新訳文庫)

 
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