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いちいち本レビュー

たんたんと本の感想を書いていくブログ。書評よりもっと軽いメモみたいなもの。

「しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール」/香山リカ

自己啓発・女性の生き方 メンタル本

★★★★★

 

大事なことは序章で述べられていた。

”飽くなき成功願望”は自己啓発本によって煽られているみたい。

成功者の自己啓発本を教科書にしてはいけないよね。

そこから自分に出来ること、出来そうなことをチョイスして、目標設定を低くしないと。

セミナーなんてお金の匂いしかしなくて行く気がしないけれど、ある種の人にとっては宗教と同じ、信仰なのだろう。

宗教では教祖が絶大な存在で、セミナーでは成功者の”先生”が絶大な存在。

 

一度、”飽くなき成功”を目指し始めた人が「やっぱりほどほどにしておくか」と妥協するのは、実際想像以上にむずかしい。いったん”ふつうの幸せ”を受け入れたかに見えても、テレビや雑誌で「年収一億円を達成した女性マネージャー」などを目にすると、また「私だってもう少しがんばれば」と思い始める。

p15-16

その通りすぎて、ぐうの音も出ない。

自分のキャパシティーを自分で分かっていても、もう少し頑張れば、もう少しちゃんとすれば…って思ってしまって、やっぱり今の現状に満足出来ない自分がひょっこり顔を出す。

 

いまや”ふつうの生活””ふつうの幸せ”が手が届かない最高の贅沢となっている人たちが増えつつある。

p25

 

嬉しい記憶はすぐに水に流れて忘れてしまうのに、嫌な記憶はありありと鮮明に思い出されて、たとえ幼い子供の頃のことでも昨日のように思い出して「許せない」と思ったりするものある。

嫌な記憶は水に流して、嬉しい記憶に浸っていられればいいのに、人間の構造はどうして苦しむように出来てるんだろう。

 

”頑張れば夢は叶う”という言葉の蔓延は怖いと、確かに思う。

しかし、子供の頃から”頑張れば夢が叶う”と聞かされて育てられてきて、今更、頑張っても夢は叶わない時がありますよ、むしろそっちの方が多いですよ!と言われて、「はい、そうですか」って受け入れられるのか?

 

親がいくら愛情深く育てても、すばらしい教師に恵まれても、本人が勉強や仕事で頑張っていても、統合失調症などの心の病気が発病する時はする。

(略)

これは何も心の病気に限ったことではないだろう。

(略)

いくら無農薬野菜中心のヘルシーな食生活を続け、運動をして理想的な体重を保っていても、病気になるときはなる。交通事故や災害にしても同様で、本人の注意で防げる範囲は限界がある。

p185

 

上記のことが分からない人ばかりだから、「自己責任」だと叩くのだろう。

そういえば、職場にうつ病を患っている人がいる会社員が「うつ病になるようなたわけは迷惑だから会社をやめろ」と言っていたのを思い出した。自分もいつうつ病になるか、または事故で体が不自由になるかもしれないとは思わないのだろう。

 

 香山さんの著書をいくつか読んでいると、新自由主義小泉内閣になってから日本人が変わり始めた(悪い方に)ように考えているように感じる。

香山さんの本ばかり読めば、私もそういう考えになっていくだろうし、他の方が書いた書籍も読んでみなければと思う。

 

”ふつうの幸せ”どこにありますか?

”ふつう”の基準が高すぎる。