いちいち本レビュー

たんたんと本の感想を書いていくブログ。書評よりもっと軽いメモみたいなもの。

「幸福論 ―精神科医の見た心のバランス」/春日武彦

by カエレバ

★★★★☆

こちらは、心理的な理論や分析ではなく、春日武彦先生の思う”幸福”についてのエッセイと言ってさして問題はないと思う。

新書なので、勘違いして買ってがっかりされることがないといいけど。

(「幸福論」と言えば、椎名林檎が真っ先に浮かびました)

第一章で春日先生の感じる幸福の一場面が1ダース書かれています。

幸福を1ダース列挙してみたっていうのがいいです。

12個挙げろと言われると威圧感あるけれど、1ダースと言われるとちょっとわくわくするのは何でだろう。

その幸福1ダースは独自の価値観に基づいているので、共感出来ることはなかったけれど、こうやって自分にとっての”幸福”を感じるものを1ダース挙げてみるのも楽しそう。

変化を嫌うことについての描写が身につまされました。

何かをすれば、ベターなこともあれば逆によけいひどい結果をもたらす可能性もある。

何かをすること自体が、たとえ最終的に良い結果をもたらそうとも、多かれ少なかれ面倒な出来事を出来させる。

(略)

大多数の人々は、あれこれと考えているうちに面倒になってしまう。

不満はあっても、現状に対してとりあえず慣れ親しんでいると、変化の訪れはむしろ億劫になる。

今がベストではないけれども、変化はもっと疎ましい。

ぬるま湯に浸かっているのも現状に甘んじているのも不幸に安住しているのも、変化を嫌うといった点では同じである。

まさに私はこれで、こうやって何者にもなれずに終わっていくんだろうなって、ぼーっとするばかり。

ここで、「よし、やるぞ!」となれないことが悲しいね。

こちらも、普段思っている気持ちを文章で上手く表現してくれていてスッキリしました。

退屈さは、暇であることと同義ではないだろう。

日常の無意味さ、空虚さ、手応えの無さ、希望の無さといったことに連なる感覚であろう。

また不全感とは、自身の生き方に対して詰めの甘さを薄々感じているのにそれと向き合うだけの気力を持てない情けない気分、自分の力不足に対する不満さ、問題点を明確に出来ないもどかしさといったものに連なる感覚であろう。

退屈とは暇じゃないのに、それを上手く伝えられないもどかしさがここに記されている。

全て私が日々抱えてる思いを言葉にしてもらえて、スッキリしたと同時に、現実を突きつけられたよう。

これらとどれだけ向き合っていけるのだろうか。

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