いちいち本レビュー

たんたんと本の感想を書いていくブログ。書評よりもっと軽いメモみたいなもの。

「海と毒薬」/遠藤周作

海と毒薬 (角川文庫)

遠藤 周作 角川書店 2004-06-25
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by ヨメレバ

★★★★★

角川文庫祭のスペシャルカバーとなっていたことが、購入のきっかけだったこの本。

遠藤周作という名前を聞いたことはあったが、本書の存在は知らなかった。

文庫本で200ページ未満の本だが、読後のずっしり感。。。

どのような言葉で表しても、陳腐になってしまうのが悲しい。

実際にあった事件、九大生人体解剖事件の真相を書いたもの。

人体解剖の目的は、人間は血液をどの程度失えば死亡するのか、血液の代用として生理的食塩水をどれだけ注入することが出来るか、どれだけ肺を切り取れば人間は死亡するか、といったものだった。

これを生きている人間で実験するわけだ。

戦時中の事件なので、戦争がどれほど恐ろしいか、ということを書いている方も多いが、

私にはあまり戦争というものが関係ないのではないかと思った。

人間が狂気的になるのは、戦争だけではないし、戦時中だから起こったことだというのも、何か違う気がする。

生きた人間での人体解剖は残酷なことだが、残酷なことは腐るほどある。

感覚が麻痺して生きている人間は、今の社会にもたくさんいる。

人を人と思わないような人間、それは大人も子供も関係ない。

大抵の人間は良心を持ち合わせている勝呂を、自分と置き換えるのかもしれない。

果たして本当はそうかな?

戸田や看護婦のような人間の方が多いのではないか。

この本の前で綺麗事は言いたくない。

正義なんて言葉は、全く無意味な世界。

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