いちいち本レビュー

たんたんと本の感想を書いていくブログ。書評よりもっと軽いメモみたいなもの。

「走れメロス」/太宰治

走れメロス (角川文庫)

太宰 治 角川書店 2007-06-23
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by ヨメレバ

★★★★★

誰もが知っているといっていいでしょう「走れメロス」を含む10編が収録されてます。

走れメロス」は太宰の文章で読んだのは初めての気がします。

アニメか何かで見てストーリーを知ってたような…。

教科書にも載っていたかもしれませんが、「走れメロス」は飛ばして授業をしたような…。

そんなわけで、読んだ「走れメロス」。

いかにも健全な美談だと思っていたけど、これは結構重いのでは?

人が信じられない王様は身内さえも次々に殺してしまうし。

本当のところは分からないけど、太宰の「人を信じたい」という気持ちを痛いほど感じました。

※以下ネタばれ含みます

富嶽百景

私には、誇るべき何もない。学問もない。才もない。

肉体よごれて、心もまずしい。

けれども、苦悩だけは、その青年たちに、先生、と言われて、だまってそれを受けていいくらいの、苦悩は、経て来た。

たったそれだけ。藁一すじの自負である。

苦悩を誇りにしてもいいのでしょうか?

私もそういたしましょう。

「懶惰の歌留多」

純粋を追うて、窒息するよりは、私は濁っても大きくなりたいのである。

いまは、そう思っている。

何のことは、ない、一言で言える。

負けたくないのである。

面白かった!かるたを読んでいきます。

また苦悩ではあるけれど、コミカルに描かれてて、テンポよくさくさく読めてしまいました。

「畜犬談」

これまた面白い!!かなり皮肉ですね。

芥川龍之介の「鼻」を思い出しました。

犬の名前が「ポチ」というのが笑えたし、犬と散歩してるのを、

あとになり、さきになり、からみつくようにしてついて来るのだから、

どうしたって二人は他人のようには見えまい。

と表現するのも面白くて!

自分と犬を「二人」と表すところに、嫌い嫌いと言いながら愛を感じます。

「おしゃれ童子」

めちゃくちゃ共感!!共感の嵐でまた笑えました。

誰も気にしちゃいないことに、ものすごくこだわって、他人の目を意識する自意識過剰っぷり、最高です。

「俗天使」

もう、種がなくなった。

あとは、捏造するばかりである。

何も、もう、思い出が無いのである。

語ろうとすれば、捏造するより他はない。

だんだん、みじめになって来る。

私も色んなことを捏造してみたい、捏造を楽しもうとさえ思えたのでした。

「駈込み訴え」

すごく惹きこまれて一気に読んだのだが…ラストで意味が分からなくなった。

どうやら聖書を分かってないとダメなのだろうか??

最後に自分の名をあかすのだが、「ユダ」だと言う。

「ユダ」というのは裏切り者だと聞いたことがあるが…。

そっちの知識がないもので、オチがよく分からなかったが、とにかく面白かった。

愛して愛して好き過ぎると、逆に憎しみが湧いてきたり、いっそ自分の手で殺めたいとまで思いつめてしまう様が滑稽であり、愛しくもあり、好きです。

他に「八十八夜」「老ハイデルベルヒ」「東京百景」が収録されています。

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