いちいち本レビュー

たんたんと本の感想を書いていくブログ。書評よりもっと軽いメモみたいなもの。

「ろまん灯篭」/太宰治

ろまん灯篭 (角川文庫クラシックス)

太宰 治 角川書店 1998-06
売り上げランキング : 530046
by ヨメレバ

★★★★☆

再び積読本の太宰を読もうと決心し、途中まで読んでいた本書を読了。

「比較的安定した生活の中で発表された7編を収録とあるだけに、悲痛さはほとんど感じることなく、穏やかでユーモアを感じさせられる作品たちです。

同時収録「愛と美について」は、表題作の「ろまん灯篭」の続編になります。

そのことをすっかり忘れていた私は、「あれ?これ前に同じのを読まなかったっけ?」と一瞬混乱しました(汗)

また、解説を岩井俊二が担当しており、小難しいこと一切なしの太宰が好きなら誰もが共感してしまうであろう内容。

(これは俺だ。俺の話だ)

そう思ったのを憶えている。そう思って太宰にハマる。典型的なパターンである。

典型的ではるが、極論すればそれ以外の太宰ファンというのは存在しない気もする。

(解説より、岩井俊二

太宰がミーハーだという彼の見解も非常に面白かったです。

今までより、より身近に太宰を感じられました。

※以下ネタばれあり

「秋風記」

どうしても、死ななければならぬわけがあるのなら、打ち明けておくれ、私には、何もできないだろうけれど、二人で語ろう。

一日に、一語ずつでもよい。

ひとつきかかっても、ふたつきかかってもよい。

私と一緒に、遊んでいておくれ。

それでも、なお生きてゆくあてがつかなかったときには、いいえ、そのときになっても、君ひとり死んではいけない。

そのときには、私たち、みんな一緒に死のう。

残されたものが、可哀そうです。

君よ、知るや、あきらめの民の愛情の深さを。

ここがめーーーーちゃ好き。何度も何度も、生きてる間に何度も読みたい。

「女の決闘」

これは小説とは違うのかな。

ヘルベルトという作家の小説を、太宰が自分なりの解釈で書き直したり、解説してながら、読者に語りかけてくる内容になっている。

太宰お得意の”芸術家”(自分)に対する皮肉たっぷりで、おかしかったです。

批判してるようで、そんな自分(”芸術家”)に酔ってるところが笑えます。

「古典風」

こちらも面白い!

美濃十郎のメモが面白くて面白くて、にやりとしてしまいます。

一部抜粋。

・あれでもない、これでもない

・どんなにいい人の優しい挨拶にも、何か打算が在るのだと思うと、つらいね。

・本気になれぬ。

・私は尊敬におびえている。

・没落ばんざい。

・あたりまえの人になりたい努力

これらに共感出来る&何かを感じる人と友達になりたい。

「清貧譚」

菊が作った縁です。

才之助がどうしても自分の菊を自慢したくて、旅先で出会った三郎を半ば無理矢理家に連れ込む。

そこから、何かと言い合いばかりしてい。

才之助の大人げなさにも頑固さにも笑えるんだけど、悪い人じゃないのが救いね。

安定した頃に書かれたというだけあった、癒されるほどだわ。

本書を最初に読んだら、太宰のイメージがまた違ったことになりそう。

Amazonで「ろまん灯篭」の詳細を見る>>>

楽天で「ろまん灯篭」の詳細を見る>>>

広告を非表示にする