いちいち本レビュー

たんたんと本の感想を書いていくブログ。書評よりもっと軽いメモみたいなもの。

「もの思う葦」/太宰治

もの思う葦 (角川文庫クラシックス)

太宰 治 角川書店 1998-06
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by ヨメレバ

太宰治=「人間失格」=小説 

というイメージしかなかったのですが、本書はエッセイ&格言集です。

大学落第から入社試験失敗、自殺未遂、腹膜炎とパビナール中毒、芥川賞落選…。

生活、文学の葛藤の中、二十六歳で書いた表題作他、文学から人生、日本人まで広がるエッセイ、アフォリズム集。

ちょいちょい意味を捉えるのが難しかったりもします。

それでも、ぐいぐい引き込まれてページを捲らずにはいられず、一気に読了。

私が引っかかった格言の中から一つを抜粋。

定理

苦しみ多ければ、それだけ、報いられるところ少なし。

これに納得してしまう人生は送りたくないが、今のところそういう人生です…。

「如是我聞」での志賀直哉への批判が強烈で面白かった。

こんな太宰を見たことがなかったので驚きもした。

少し引用しますが、太宰が怒り狂っているのです。

・私は、その者たちを、しんから軽蔑しきっているので、名前を挙げようにも、名前を忘れていると言いたいくらいである。

・しかし、私はその不潔な馬鹿ども(悪人と言ってもよい)

また、太宰に会った時には「お会いしたかった」と握手を求め、その後、新聞や座談会で自分の作品をミソクソにこきおろされていることに怒っていたりもする。

太宰治という人が怒っているということに、驚き、それが面白かったのだが…

柳美里の解説を読み、ただ批判されたから批判し返しただけではない気持ちがあったのだと思うと、胸に刺さる…。

柳さんは自身の作品で、太宰が好きだ好きだと書いてるだけあって、解説も太宰への思いの深さを感じた。

自分で言葉に表すことが出来なかったが、日頃から思っていたことをずばっと書いてくれている太宰。

いわゆる大文豪に心服していなければ、なにか文人たるものの資格に欠けるというような、変な常識があるようですけれども、私はそんな大文豪の作品は、本当はあまり読んで好きじゃないのです。

文学だけでなく、あらゆることに当てはまりますね。。。

本にしても、映画にしても、音楽にしても、

天空の城ラピュタ」がつまらないと言って何が悪い??

私はつまらなかった。

風の谷のナウシカ」も同じく。

しかし、名作、名作、素晴らしい作品と言われているものを、「つまらない作品だった」と言ってしまうと、馬鹿にされるのではないか…とか、そのようなことです。

いくら名作、名盤でも、自分の気に入らないものを、「これは名作(名盤)だね」と言うようなことはしたくないですね。。。

太宰を読んだ半分以上の人は、このように自分の代弁者であると思うのだろう。。。

ああ、自分が大勢の中の一人で、凡人であることを痛感させられる。

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