いちいち本レビュー

たんたんと本の感想を書いていくブログ。書評よりもっと軽いメモみたいなもの。

「地獄の道化師―江戸川乱歩全集〈第13巻〉」/江戸川乱歩

地獄の道化師―江戸川乱歩全集〈第13巻〉 (光文社文庫)

江戸川 乱歩 光文社 2005-08
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by ヨメレバ

江戸川乱歩全集を読むのは4冊目。

本書には「暗黒星」、「地獄の道化師」、「幽鬼の塔」と少年探偵の「大金塊」の四編を収録。

前々から素敵と思っていましたが、明智小五郎がかっこよくて、大好きになりました。

「暗黒星」にて、たとえ男性でも美貌の持ち主には惹かれてしまう明智小五郎が可愛くて。

そして、あの淡白な感じ。

真面目なのにお茶目さもある。

何よりぼーっとしているように見えて、あの頭の回転の良さ。

小説なので明智小五郎のルックスは自由に作り上げることが出来ますが、芸能人でいうと田辺誠一さんのイメージです。

勝手な妄想ですが。

ああ、そして、明智に奥様がいることを知り軽くショックを受けました。

「暗黒星」

映写機で映し出した自分の写真が、黒く塗りつぶされていく、まるで血が流れているように。

序盤にこの奇妙な出来事を持ってきて、読者を恐怖に包み込むのが上手いです。

”美貌”というのは男でも女でも、一番見えないものをくらましてしまう存在なんだと。

乱歩作品に出てくる青年探偵は、どうも美男・美女に弱いように思える

そこが可愛いんですけどね。

明智小五郎の名言

「考え事は僕の恋人なんだからね。」

「地獄の道化師」

これは怖い…!!

映像化したものを、もしも子供の頃に見ていたら、しばらくは一人で夜にトイレに行けない、一人でお風呂に入れない日が続いたでしょう。

大体、ピエロってどうしてあんなに恐ろしい形相をしているのでしょうか。

泣いてるような笑っているような奇妙な顔が恐ろしい。

マクドナルドのドナルドもピエロか?

目を逸らすと、逸らした先にいて、目を閉じても浮かんでしまう。。。

この描写が上手い!!

「幽鬼の塔」

親族が残した財産で自由気ままな生活を送る主人公。

しかも、書生まで住まわせているという御身分。

探偵をしているのだが、仕事ではなく趣味なのである。

趣味だからお金も貰わないんですね。

金も地位や名声も全く興味がないという主人公はわりと好きですね。

目に見える、手に取れる物を欲しがる欲はないが、好奇心という欲だけは捨てられないんです。

「大金塊」

少年探偵もので、少し物足りなさは感じました。

こう、大人のどろどろしたのが読みたかったので。

ラストの展開は時代的にああせずには仕様がなかったのですね。

驚きましたが、時代が時代なのでどうしようもないようで。

不二夫くんが金持ちなのに、威張らず、我儘でもなく、いい子なのが良かったし、小林少年との冒険(というほど軽いものではないが)も少年たちは当時わくわくしながら読んでいたのだろうな。

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