いちいち本レビュー

たんたんと本の感想を書いていくブログ。書評よりもっと軽いメモみたいなもの。

「どんぐり姉妹」/よしもとばなな

どんぐり姉妹

よしもと ばなな 新潮社 2010-11

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by ヨメレバ

私にとって、初めてのよしもとばなな作品。

「私たちはサイトの中にしか、存在しない姉妹です。

私たちにいつでもメールをください。

時間はかかっても、お返事をします。」

どんぐり姉妹が開いたサイトに、救いや癒しを求めて、たくさんのメールが届きます。

この設定に惹かれて読みましたが、サイトでのどんぐり姉妹のエピソードが少ない。

サイトを帯で全面に押し出すのは、間違いかもですね。。。

ゆるい話だろうと全く期待していませんでした。

穏やかな文章だけど、扱っている題材はディープで、決して穏やかな内容ではない。

介護中も、姉はしっかりと恋愛をしていたけれど、姉がよぼよぼのおじいさんと働いていない妹がくっついていると知ると、男性はたいてい極端な反応をした。

そっと離れて行くか、全部受け止めると意気込むか。

この部分、すごく分かります、ええ、痛いほど…。

決してフラットな物語ではないと思いますね。。。

気になる部分に付箋を貼りながら読みましたが、読了後、付箋がたくさんでした。

様々なことへの”気づき”を教えてくれる文章がたくさん。

付箋を貼った部分を引用。

  • 何日も外に出ていないと、頭の中の世界のほうが実際の世界よりも少しずつ大きくなってくる。
  • 人々はたわいない会話がどんなに命を支えているかに無自覚すぎるのだ。
  • ポジティブな考え方もトラウマワークも占いも適度な運動も、後でちょっとしたブラッシュアップとしては必要かもしれないけれど、今はいらなかった。
  • 目を閉じると、窓からの光がまぶたの色でオレンジに見えた。生きてるってこれだけのこと、でもすごいことなんだろう。
  • ずっといっしょにいられない人といるのは中毒みたいなものなんだ。魔法がとけないまま別れるのはなんて甘美なんだろう。

全て、自分一人では気づけなかったこと。

それを、ばななさんが文章にしてくれたように感じました。

一番ガツーーーンと脳天にまで響いたのが、この一文。

合わないところで、少しずつ心の中のものをすり減らしていくと、人は病気になるんだ、と思って、人の強さそして弱さに驚いた。

今まで、どうして自分がこんな風になってしまったのか、たくさん考えていた。

けれど、全てはこれに集約されているように思う。

今、以前より、心も体もずっと健やかでいられるのは、合うところ(人)の中に身を置いているからじゃないだろうか。

どんなに素晴らしい人でも、合わない人もいる。

相性という意味ではなく、もっともっと広い意味での”合う、合わない”。

目から鱗という感じで、変に説教臭さも受けずに、素直に受け入れることが出来たのも良かったです。

ひねくれ者の私ですから、一歩何かが違えば、「分かったようなことを言うな」と悪態をついているところです。

最後にちょっとだけ言わせてもらうと、文章を修飾語で飾りつけし過ぎて、意味が飲み込みづらい部分が多々ありました。。。

出会うべくして、出会えた本の気がします。

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