いちいち本レビュー

たんたんと本の感想を書いていくブログ。書評よりもっと軽いメモみたいなもの。

【処女喪失のタイミングは大事なのである】「恋のトビラ」/石田衣良・角田光代・嶽本野ばら・島本理生・森絵都

恋のトビラ 好き、やっぱり好き。
恋のトビラ 好き、やっぱり好き。 (集英社文庫)
森 絵都 嶽本 野ばら 角田 光代 石田 衣良 島本 理生

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雑誌「non・no」で掲載された短編を一冊にまとめたものです。

読書家でなくても一度は聞いたことがある有名作家5人のアンソロジー。

文庫本にしても単行本にしても、装丁が可愛いです。

軽くさらっと読めるものばかりなのも「non・no」読者へ向けてだからなのでしょう。

女子高生から二十代前半の女性向けですね。

「non・no」の読者がどんな感じなのか詳しくは存じ上げませんが、

この中では石田衣良氏の「ドラゴン&フラワー」が一番等身大の”「non・no」読者像”に近いのでないかと思う。

もうすぐ二十歳を迎えるごく普通の女子大生。

大学では女友達はもちろん、男友達もいるしサークルでわいわい楽しんでいる。(つまりはリア充

派手なグループでもなく、特別美人でもない、遊んでいるわけでもなく、どちらかと言えば真面目。

王子様ではなく、ただ自分を見てくれて好きになってくれる男性を待っているわけだから、ずっと彼氏がいない可能性はありますね。

けれど、ちゃっかり男友達に告白されて答えをはぐらかしてみたり、サークルのイケメンに好意を持たれたりしてるから、なかなかやるもんだ。

”地味でモテない私”に見せかけておいて、押さえるとこはちゃんと押さえてるというイメージ。(=私の中の「non・no」の読者像)

気になったのが、この主人公の女子大生は二十歳までにヴァージンを卒業したいと思っているのです。

”処女になんか価値はない”、”障害にさえなることがある”と彼女は言う。

こんなことを思ってる女がいるというのは、男性の妄想の中だけなんじゃないのか?

男性にとって都合のいい考え方のように思える。

女性にとって処女喪失のタイミングは大事なものです。

若過ぎるとヤリマンだと後ろ指さされ、遅すぎると「処女」だと相手に告白し辛くなる。

かなりデリケートな問題で、男性みたいに笑いのネタになど出来ないところが痛い。

長々と書いてしまいましたが、つまりはリア充の戯言のような話でした、ということです。

思わぬところで長くなっちゃったので、こっから端折ります!

野ばらちゃんの「Flying Guts」は冴えない女が素敵な男性に恋をするのだけれど、真面目さと一生懸命さが空回りしながら奮闘するという、本書で一番ポップなお話。

こういう冴えない女の子と高嶺の花な男の子との恋は野ばらちゃん作品の中でわりとありますよね。

ひと癖ふた癖あり毒もある野ばらちゃんの作品の中ではかなり万人受けすると思われる作品です。

角田光代さんの「卒業旅行」は恋愛要素は少なめですが、自分自身や将来に向き合うきっかけになるようなメッセージを含んでいるところに好感が持てました。

出てくる男性もとても素敵だし、素敵女子小説な感じでしたわ。

ここから毒吐きます…!!

島本さんの「初恋」と森さんの「本物の恋」ですが…、

主人公の女…、ただのビッチやん。。。

見た目が中途半端に良くて、下半身が緩い女の”恋バナ”に「初恋」、「本物の恋」というタイトルをつけるなんて、おこがましい。。。呆れた。。。

島本さんの「初恋」のこの部分は女のいやらしさがリアルに出ていて好きですね。

以下引用。

派手で顔立ちも可愛い二人は、しょっちゅう私を遊びに誘ってくれたり男の子を紹介してくれたが、それは内心では私の経験のなさに対する優越感や、私なら一緒にいても大丈夫という余裕から来る親切だということは、うっすらとは気付いていた。

そして、何とも不快なのは「本物の恋」。

最後のオチも主人公の女の告白が不快過ぎて全く面白くもなんともない。

★★★☆☆