いちいち本レビュー

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「小さき花々」/吉屋信子

小さき花々 (河出文庫)
小さき花々 (河出文庫)吉屋 信子

河出書房新社 2010-07-02
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乙女とはなんて可憐なんだろう。

この本に出てくる女の子たちは少女というよりは”乙女”と読んだ方がしっくりくる。

私が思う乙女像が見事に表現されていて、感嘆のため息ばかり漏らして、うっとりしながら読みました。

時代は明治~昭和初期。

元々この時代のお話が好きで、更にそれが乙女たちの物語なわけだから、たまらなく好きなんです。

短編集でいくつかのお話が収録されていますが、何不自由なく育った裕福なヒロインと貧しい少女の対比が描かれています。

城下町に越してきた転勤族の娘。その娘が憧れる美しいクラスメイトは父を亡くし、お琴の先生をする母と弟と暮らしている。(「忘れぬ眉目」)

幼い頃に教会の日曜学校で仲良くなった二人。一人は女学校に進学し、もう一人は父の病気のために芸者に。(「天国と舞妓」)

インテリの父を持つ都会育ちの娘と田舎の百姓の娘(「素直な心のひと」)

などなど…。

裕福な少女は時に、貧しい少女を見下し軽蔑し、また、自分の置かれた環境と彼女の置かれた環境の違いに戸惑い、葛藤するのだ。

現代の少女が失くしている恥じらいを彼女たちは持っている。

恥じらいこそが乙女だと私は思うのである。

美しく儚い、嗚呼麗しの乙女たち。

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