いちいち本レビュー

たんたんと本の感想を書いていくブログ。書評よりもっと軽いメモみたいなもの。

「エミリー」/嶽本野ばら

エミリー (集英社文庫)エミリー (集英社文庫)

集英社 2005-05-20
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嶽本野ばら(たけもと のばら)。

深田恭子土屋アンナで映画化された「下妻物語」の原作者でも有名な方ですね。

何故かこの人がアンテナにビビビっときたので、wikiで調べてみたら、

日本の少女文化に広く精通しており、作品にそれを生かしていることや、太宰治などの文学作品の影響をうまく消化して現代小説に生かしている点は評価されるが、性描写の乱用、破滅的なストーリーが多いことがよく批判される。

太字の部分に特に惹かれて、これは読むしかないと手に取った最初の嶽本作品がこの本。

表紙も可愛いし、あとがきが綿矢りさだったのもあって購入。

「レディメイド」、「コルセット」、「エミリー」の三編が収録されています。

徹底的に敬語遣いなので、あぁ、合わないかもと思った。

そして、ブランド名がいくつも出てくるんだけど、そのブランド知りませんから!って感じになっちゃって、「コルセット」を読み終えて、外れの予感が強くなった。

「レディメイド」

すごく短いお話なのに、長く感じた。

主人公が憧れる”貴方”って、そんなに魅力的?

インテリぶって、上品ぶって、そういう風にしか感じられなくて。

私がバカだから、話についていけないのかもしれないけど、こんな気取った会話ばかりの”貴方”はノーサンキュー。

「コルセット」

明日死のうと思っている鬱病患者と、その患者が通う病院の受付嬢のお話。

途中まではありがちな展開だったな。

知らないブランド名をつらつら並べられて、上品に会話されても、読み手の私は蚊帳の外だった。

知ってるもの同士で、うふふと楽しんでる、そんな風にも思えたんです。

とにかく、ここまでは受け付けなかった。

けど、三編目の「エミリー」が私の琴線に触れました。

「エミリー」

好きなブランドの洋服を着る事で自分を保っている女の子。

性同一性障害の男の子。

共通してるのは心も身体も居場所がないところじゃないだろうか。

二人は社会的には弱いようでも、弱くないと思う。

私がそう信じたいだけなのかもしれない。

主人公の女の子にどうしても感情移入してしまうから。

この女の子と男の子は、お互いの傷を見せ合って、舐め合っているようにしか見えないかもしれない。

いや、実際そうかもしれない。

傷を舐め合いっていうと、響きが悪いけど、実際そんなにダメな事かな?

誰も分かってくれなくて、居場所がなくて…。

そんな傷を一瞬でも癒す事が出来たら、いいんじゃないかな。

今のままじゃダメだって事、きっと気づいてる。

誰よりも本人たちが。

嶽本野ばら好き嫌いが分かれる作家であるというのはよく分かりました。

もう少し、この人の作品に触れてみたいです。

★★★★☆

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